独立行政法人国立青少年教育振興機構理事長あて

題名:「国立青少年交流の家等の更なる利用促進を図るためのPRに関する意見書」

 私たちは、各地の子ども会など青少年団体で活動している青年リーダー(子ども会のお兄さんお姉さんであるジュニアリーダーのうち、高校卒業年齢以上の者をいいます。)が自主的に集い、情報交換、意見交歓及び交流を行っている有志の仲間です。子ども会をはじめ、たくさんの方からご支援をいただいております。
 さて、国立青少年交流の家、国立青少年自然の家など(以下「国立青少年交流の家等」といいます。)、独立行政法人国立青少年教育振興機構が全国28か所に展開している施設は、私たちの活動場所として非常に充実したものとなっております。また、冒険教育ができる場所の積極的な提供を行うことにより、未来を担う子ども達への体験教育をより充実したものとするなど、日本の青少年教育をリードし、フラッグシップをとってきた意義は非常に大きいと考えています。
 ところで、政府の行政刷新会議が過日行った「事業仕分け」において独立行政法人国立青少年教育振興機構のあり方が審議され、「自治体・民間へ移管」と評決されました。私たちは、今後とも国として青少年教育をリードする存在であってほしいと願っていますが、一方で、現状からでもできることを、1利用者として積極的に提言する必要があると考えました。
 そこで私たちは、平成21年11月21日〜23日に国立那須甲子青少年自然の家を実際に利用しながら討議したことをもとに、特に国立青少年交流の家等のPR面について意見を申し述べます。
    記
1 基本的な考え方「もっと利用促進を図るためのPRを!」
 国立青少年交流の家等において、どの施設でどんなことができるのか、私たちのような青少年団体の者もほとんど知らないという現状があります。ましてや、一般の国民にとっては、国立青少年交流の家等がそもそもどんな施設でどんな意義があるのか自体、知らない人が大半です。このことが、事業仕分けで「自治体・民間へ移管」と評決された一因と私たちは考えました。
 そこで、これまで以上に積極的なPRを行い、国立青少年交流の家等の存在や意義を広く理解してもらうための施策の一例を、利用者の立場から提言するものです。

2 意見の項目
 (1) インターネットによる情報提供について
 (2) 家族利用のPRについて
 (3) 展示会の実施について

3 インターネットによる情報提供について
 (1) 青少年活動場所ガイドの充実
  国立青少年交流の家等をはじめ、地方公共団体が運営する青少年施設がどこにあり、どのような特色があるのか横断的に検索できる「青少年活動場所ガイド」は非常に有用であるし、国の機関として担うべき大事な役割の一つと考えます。
  しかしながら、現行のシステムでは、検索結果が文字の羅列であるなど使いにくいため、民間の宿泊予約サイト等を参考に、探しやすく、利用したくなるような情報がすぐ手に入るように改善してほしいと考えます。
 (2) 各国立青少年交流の家等のホームページの充実
  情報化社会において、ホームページによる情報提供はますます重要となっています。
  各国立青少年交流の家等のホームページの中には、昔ながらの作りのホームページもあるので、基本部分は一定程度統一的なシステムを導入するなど情報提供の質及び量を充実させ、リアルタイムで必要な情報が手に入るようにしてほしいと考えます。
  また、那須甲子青少年自然の家ホームページのように、ライブカメラを設置するなどの取組みは素晴らしいと感じます。このように、国立青少年交流の家等が、ライブカメラをはじめ、職員によるブログコーナーの開設など各施設の今の様子が伝わってくる創意工夫を行うと、なお良いのではないでしょうか。

4 家族利用のPRについて
  国立青少年交流の家等が家族利用を受け入れていることは、「知る人ぞ知る」の状態であるといわざるを得ませんが、多くの国民に国立青少年交流の家等について認識を深めてもらうためにも、利用率の向上を図るためにも、家族利用の促進は欠かせません。
  ついては、青少年団体の予約がしにくくならないように配慮しつつ、家族利用を積極的にPRしてほしいと考えます。

5 展示会の実施について
  昨今、様々な分野に関する展示会が行われ、活況を呈しています。青少年教育の分野についても、こうした展示会を行ってはいかがでしょうか。
  例えば、全国28か所の国立青少年交流の家等のブースを用意し、各施設のPRを行うのです。加えて、青少年教育で使用する物品等を販売する業者のブースがあると、より盛り上がると考えます。また、ご当地B級グルメのブームとあわせ、各国立青少年交流の家等の地元とタイアップした物品販売などがあると、マスコミ等にも大きく取り上げられ、良いPRになるのではないでしょうか。
  さらに、子どもゆめ基金の助成活動のうち優れた活動の発表会を行ったり、教材開発によりできあがったものを発表したりする機会とすれば、基金についてのPRとなるだけでなく、基金に対する大事なフォローアップの場所となります。
  会場は、例えば国立オリンピック記念青少年総合センターに大きな部屋がいくつもありますので、これらを使用して費用を抑えることも可能です。
  公の機関ということで難しい面もあるのは承知していますが、青少年教育の重要性は今後ますます高まることから、各方面との協働により行う、こうした取組みもぜひ前向きに検討していただければと考えます。


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